BLR-TX4Lのすべて!!

BLR-TX4Lの隠された機能を紹介するコーナーです。(2001.11)

はじめに
 BLR-TX4Lは実効スループット7.5Mbpsを実現しながら、標準価格が9,800円と1万円を切った手頃な製品として発売された。しかし、この製品はマニュアルにも一切触れられていない隠された機能がテンコ盛りだ!!。このレポートでは、特にマニュアルに公開されていない機能を重点的に紹介したと思う。
パッケージは、小ぶりでBLR2-TX4と同様のプリントが使われている。
中身は、本体と電源、それと説明書(保証書)のみで、価格を下げたせいかインサーケーブルは付属していない。
しかし、適当な長さの物が付属していた場合、長さが足りなかったり、逆に長すぎて取り回しに困ったりとありがた迷惑の場合もある。インサーケーブルは自分の利用環境に合わせて適切な長さの物を購入したいので、製品には付属せづに、その分価格を下げてもらった方がユーザにはありがたいかも知れない。


手のひらサイズの小ささで場所を取らない設計になっている。背面には、WANポートと4ポートのスイッチングハブを搭載する。WAN側にはクロス、ストレートの切り替えスイッチがついている為、モデムの仕様によって簡単に切り替える事ができる。また、スイッチングハブの4番ポートにもストレート、クロスの切り替えスイッチが付いていて、ハブなどを増設する場合にも配慮がされている親切設計なのは嬉しい。
Web設定機能
Web設定は、マニュアルに書いてあるので、特に説明は割愛する。画面イメージを見たい方はPC Watchの記事を参照してもらいたい。
公開機能と未公開(隠し)機能
BLR-TX4Lは、従来のBLR-TX4やBLR2-TX4とは違った特性をもっている。それは、Web設定以外にTelnetによる設定が可能なことだ。このTelnet設定はマニュアルには公開されていないが、以下の表に示すようにWeb設定では出来ない詳細な設定が可能なのだ。
ちなみに、ここで紹介する機能は、マニュアルにも載っていない未サポート機能である。この為、メーカーに問い合わせても回答を得る事が出来ない可能性があることを予め了承しておいてもらいたい。
Web設定画面から行える主な機能(公開機能) Telnetからしか設定できな主な機能(未公開機能)
WAN側のPPPoE/DHCPサーバ切り替え設定 コンピュータ名、ドメイン名の設定(@NetHome対応)
アドレス変換/DMZ設定 Dynamic DNS(DynDns.orgのサポート)
スタティックルーティング 詳細なパケットフィルタリング(WAN<->LAN)
ファームウェアの更新 WAN側MACアドレス付け替え機能
- 内部時間のタイムサーバ設定
- Syslog出力機能
- WAN側固定IPのマルチNAT機能
- SNMP機能
コンピュータ名、ドメイン名の設定(@NetHomeへの対応
まず、BLR-TX4Lの電源を入れる前に接続するPCのネットワーク設定を「IPアドレスを自動取得する」の設定して、シャットダウンしておく。
その後、BLR-TX4Lの電源を入れ、WAN側にはモデムからのインサーケーブを接続、4ポートあるハブの1つにPCからのインサーケーブルを接続する。これで、BLR-TX4Lの電源を投入し、WAN、LANともLEDランプが点灯することを確認する。
もし、WAN側が点灯しない場合は、背面にあるWANポートの横のスイッチを押して見よう。この作業が完了したら、PCの電源を入れる。
PCが起動すればIPアドレス"192.168.0.2"が付与されるはずだ。

※IPアドレスは、winipcfgやipconfigで確認できる。
次に、BLR-TX4LはWAN側の接続設定がデフォルトでxDSL(PPPoE)の設定になっている為、CATVの場合はそのままでは接続できない。
まずは、ブラウザを起動して、アドレスに"http://192.168.0.1"と投入する。すると、ユーザ名とパスワードの認証があるので、ユーザ名には、「admin」を入力しパスワードは空のままOKをクリックする。認証後に、BLR-TX4Lの初期画面が表示されるので、「簡易設定」をクリックしよう。ここでは、「PPPoEクライアント機能を利用する」と設定されているので、プルダウンで「...利用しない」に変更する。もちろん、プロバイダがADSLの場合は、そのまま、ユーザ名とパスワードを設定すればOKだ。

しかし、なんでデフォルトが、PPPoEになっているのか疑問だ。確かに最近では、ADSLユーザの方が需要は多くなっているのかも知れないが、PPPoEにしておいても、ユーザ名とパスワードは指定する必要がある。やはり、CATVユーザだけも未設定で作業が進められるようにデフォルトは、DHCPクライアントにしておくのが望ましい。また、「PPPoEを利用する。」、「しない。」で切り分けるよりも、ハッキリ、「DHCPクライアント」か「PPPoEクライアント」と表現した方が分かりやすい。
次に進むと、
「WAN側IPアドレス」の設定になるので、「DHCPサーバからIPを自動取得する」と「DNSアドレスを自動取得」が選択されている事を確認して「設定完了」をクリックしよう。
これで、前準備は完了なので、ブラウザを終了させる。
次に、スタートメニューの「ファイル名を指定して実行」を選び、「telnet 192.168.0.1」と入力してOKを押す。
これで、telnetが起動され、最初、「Password:」を問い合わせてくる。デフォルトなら空のままEnterキーを押下する。
すると、左のメニュー形式の設定画面が表示される。
ここで、「1.General Setup(Menu.1)」を選択して、「Enter Menu Selection Number:」に"1"を入力してEnterキーを押下しよう。
この画面で、コンピュータ名とドメイン名を指定することになる。

System Name=cj1234567-a
Domain Name=xyz1.kt.home.ne.jp

と入力すれば、
@NetHomeで制限されているコンピューター名とドメイン名が設定可能だ。後は、メイン画面で99と入力すれば、設定画面を終了できる。

次に、PCのIPアドレスをwinipcfgやipconfigで解放してPCをシャットダウンして、BLR-TX4Lの電源を切り、BLR-TX4L→PCの順で電源を入れれば、インターネットに接続する事ができるはずだ。
ちなみに、2台目以降のPCを設定する場合は、PCのネットワーク設定を「IPアドレスを自動取得する」に設定するだけで、本作業を繰り返す必要はない。

Dynamic DNS機能(DynDns.org)
Dynamic DNSとは、動的に振られるWAN側のIPアドレスをインターネット上のDNSに登録して、ドメイン名で呼び出す事を可能にする機能だ。本サイトでも「サーバを立てよう」のコーナーで説明しているので、詳しくは其方を参照してもらいたい。

この機能は、ルーターのWAN側に割り振られたIPアドレスに変更がかかったら、自動的にDynamic DNSへ再登録してくれる機能だ。このような機能を実現するためにフリーソフトがいくつか存在するが、ソフトの場合は、PCを起動して常駐しておく必要があり、更新タイミングがリアルタイムにできない。しかし、ルーターに搭載されいる場合は、WAN側のIPに更新がかかった時点で、即、更新し直してくれる。
設定は、「1.General Setup」において、「Edit Dynamic DNS」でスペースキーを押下すると設定画面が表示され、そこにDynDns.orgで登録した内容を設定する。非常に便利な機能だ。

詳細なパケットフィルタリング(WAN<->LAN)
パケットフィルタリング(Menu.21)は、かなり詳細な設定が可能だ。デフォルトでは、1〜3までの設定が行われていて、WAN、LAN側からのNetBIOS系のパケット防止が施されている。また、3番目のルールには、WWW、FTP、Telnetのパケットを破棄するフィルタが定義されているが、これは実際には有効になっていない。
左の例は、4番目のルールにWAN側から入ってくる「ICMP、TCP/IP、UDP」などのパケットを監視するため、「ATTACK_WAN」としてフィルタリング・ルールを設定して見た。
ちなみパケットフィルタリングを設定するには、ある程度のネットワーク知識を必要とするので、ビギナーにはお勧めできない。

WAN側MACアドレス付け替え機能
WAN側MACアドレス付け替え機能は、現在のファームウェアではWeb設定画面から設定する事ができない。(01.11.06現在)
しかし、Telnetでは、WAN(Menu.2)の設定から行える。指定するのは、「Assigned By =」でスペースキーを押下することで、設定を「IP address attached on LAN」に切り替え、「IP Address」に付け替えたいPCのアドレスを指定する。これで、WAN側のIPは、指定したクライアントPCのLANボードのMACアドレスが適応される。

内部時間のタイムサーバ設定機能
BLR-TX4は、Syslog機能を備えている。この為、内部時計を保持しているが、その設定は、タイムサーバが設定可能なため、時間が狂うことがない。内部時計の設定は、「System Maintenace(Menu.24.10)」で設定可能である。例えば、「Use Time Server when Bootup」でスペースキーを押下して、「NTP(RFC-1305)」に設定して、「Time Server Address」にNTPタイムサーバのアドレスを指定する。NTPタイムサーバは、インターネット上にボランティアで複数存在する。これにより、ルーター内の内部時間は大きく狂う事がなくなりログ出力時の時間が正確になる。

Syslog出力機能
Syslogとは、UNIXなどで利用されているログ出力機能でBLR-TX4Lでは、フィルターログなどを出力する事ができる。パケットフィルタの説明でも述べたようにフィルタルールにログ出力の有無が設定でき、出力を「有り」にした場合には、その情報を指定したPC(UDP:514)へ送出する。送られたPC側では、Syslogを受信する必要がある。
Syslogの受信は、通常、UNIXマシンなどが一般的だが、Windows版のフリーソフト(例えばKZSYSLOGなど)もあるので、これらを利用すればWindows上で監視する事も可能だ。

WAN側固定IPのマルチNAT機能
マルチNAT機能は、マルチ対マルチ、マルチ対1、1対1のアドレス・マッピングを可能とする。これは、プロバイダから割り当てられた正規のIPアドレスにネットワーク上のローカルIPアドレスを対応させるもので、この機能を利用して、DMZへのインターネット・サーバの設置、あるいはポピュラーなインターネット・マルチメディア・アプリケーションなどの利用を可能とする。デフォルトでは、マルチ対1となっている。利用環境としては、「Biz ADSL8」などの複数の固定グローバルIPアドレスがプロバイダから発行される場合に限る。

SNMP機能
ホームユースにはあまり必要ではない機能だが、ネットワーク監視に欠かせないSNMP機能などもサポートされている。

ネットワークアプリケーションの動作
BLR-TX4Lでは、NetMeeting3の動作において、「アドレス変換」に以下のイメージのようにポート:1720の設定を追加するだけで、音声・動画とも送受が可能となる。また、MSN Messengerに至っては、チャットだけなら「アドレス変換」の設定は不要のようだ。このルーターのNAT処理は、既にメジャーなアプリケーションはサポートされていて、パケットの流れを認識して変換処理を行っているようだ。
スループットの測定
 以下の環境にて約10.5MbtyeのファイルをFTPで3回ずつ測定してみた。結果、上り下りとも6Mbps以上をキープし、まずまずの結果を得ることが出来た。
 メーカー測定値では、下り:7.5Mbpsと記載されているが、今回測定した環境はメーカーの測定環境よりもマシンの性能が悪いマイナス条件で行ったためメーカー測定値が得られなかったのではないかと思われる。
 しかし、ユーザが測定して、6Mbps以上の実速が得られれば、YahooBB(ADSLの8Mbpsサービス)でも、430Kbps〜4.3Mbps程度だし(ブロードバンドスピードテスト2001.09.17現在より)、余程条件が良くても6Mbps程度なので、取りあえず、ストレス無く利用可能だといって良いだろう。
<測定環境>
サーバ
 Windows2000 Server(SP2)
 CPU:Intel Puntium III 600MHz(OC:713MHz)
 MEM:256MByte PC133 CL3
 IDE:ATA100 30GMByte
 FTPサーバ:IIS5.0
クライアント
 Windows 2000 Professional(SP2)
 CPU:Intel Puntium III 800MHz(OC:930MHz)
 MEM:256MByte PC100 CL2
 IDE:ATA66 20GByte
 FTPクライアント:コマンドプロンプトよりFTPコマンド
BLR-TX4L
 WAN側IP:固定
 その他:デフォルト

クライアント===ハブ(直結)====サーバ

回数 Sec. KB/s 平均(KB/s) Mbps
FTP Upload(put) 1 0.96 11500.84 11577.39 92.6
2 0.95 11609.56
3 0.95 11621.77
FTP DownLoad(get) 1 1.19 9272.07 9461.95 75.6
2 1.16 9511.45
3 1.15 9602.35

(10Mbps=1250KB/s)

クライアント===(LAN)BLR-TX4L(WAN)===サーバ

回数 Sec. KB/s 平均(KB/s) Mbps
FTP Upload(put) 1 12.82 862.25 862.00 6.89
2 12.83 861.51
3 12.82 862.25
FTP DownLoad(get) 1 14.59 757.53 772.65 6.18
2 14.59 757.47
3 14.61 756.44

総評
 製品としては、価格帯を考えるとWeb設定で公開されている機能の範囲だけでも、かなりお買い得な製品だと言える。更に、未公開機能をフルに使いこなせば、なお更お得感は増す。
 ルーターとしては、かなり高機能なので、BLR-TX4Lとアクセスポイント(WLA-L11S)などを組み合わせて無線環境を構築するのも面白いかも知れない。
 接続制限を設けていないCATVやADSLならWeb設定だけで簡単に接続できる。また、telnetを利用すれば、詳細な設定も可能な事から、初心者から上級者まで幅広い層で利用が可能だ。
 BLR-TX4Lは、 初心者にターゲットを絞った製品である為、高機能な部分を隠蔽している。この点が非常に気になる点ではあるが、メーカーの方針として、やむを得なかったのかも知れない。しかし、それ以外は、価格、フォルム、機能、パフォーマンス、どれをとってもポイントの高い勧めの製品だと言える。8,500円出しても損は無い製品であることには間違いない。